SiMa.ai(以降SiMa)はGPU(グラフィックス処理ユニット)を提供するα社の性能に匹敵する、エッジでのAIに強みを持ったデバイスです。そんなSiMaのMLSoC(Machine Learning System-on-Chip)を実際に使ってみたいという声も上がっています。今回は、α社のGPUで動作していたモデルをSiMaに移植し、実際に動かす方法をご紹介いたします。
移植の手順は以下の通りです。
α社動画
SiMa動画
今回は「YoloV7を利用した人の動きを追跡して滞在状況をヒートマップ分析するシステム」の移植を行いました。どちらも各メーカーが提供している開発キットを使用して既存の動画から分析。分析後は、人物を緑枠で検知後、その動線と滞在状況を青から赤へと変化するヒートマップで現れます。
※表示アプリケーションの違いにより、一部滑らかさに差があります。
※詳細は準備編、環境構築編①~③、実装編をご確認ください。
実際の置き換え作業は当社のパートナー会社である MonoStructが行いました。
移植を通して感じたSiMaの将来性についてMonoStructにインタビューをしました。
普段からAIを活用したカメラの開発案件を手がけており、SiMaは、こういった用途でも非常に有効であると感じました。
低消費電力であるということを活かして、制約の厳しい環境下で扱うデバイスでも利用できそうで魅力を感じています。
無償で提供されているPaletteは、開発者にとって使いやすい開発環境なので、その点も魅力的です。
マニュアル確認
50%
環境構築
20%
アプリケーション作成
30%
実働3週間で置き換えが完了しました。
新光商事担当者コメント
たった3週間でデバイスの移植が実現できるのですね。
作業比率の大きいマニュアル確認がとても苦労しました。
SiMaはアメリカの会社であるため、英語中心のドキュメントであること、機能詳細を理解するためにマニュアルの複数ページを確認しなくてはならないことが工数の半分を占めています。
マニュアルさえすべて網羅できれば、そこまで難しくないと考えています!
新光商事担当者コメント
マニュアル読みが容易にできれば、もっと工数を削減できるということですね。
ありがとうございました!
インタビューからマニュアルの読み込みが課題であることがわかりました。
原因は英語であることや、慣れない表示スタイルであることがあげられると考えられます。
OpenAIが提供するカスタマイズ可能な「GPTs」は、そんな課題を解決してくれます。GPTsはユーザが特定の目的に合わせてChatGPTをカスタマイズし、独自のAIツールを生成できます。開発工数のさらなる削減に向けて、是非ご活用ください!
本章を通して、α社のGPUをSiMaに移植することが無事に実行できることが確認できます。SiMaの開発において、α社製品を動作するために使用していた学習済みモデルをそのまま流用することが可能です。また、SiMaはα社のGPUにはない「低消費電力」「ファンレス」「1Wあたりの高性能処理」といった特徴を実現できます。
この後、準備編、環境構築編①~③、実装編に分けて移植手順を詳しくご紹介いたします。
新光商事担当者コメント
初めて扱う開発環境が使いづらいと、開発に支障が出てしまいますよね!
そんな開発環境が無償で提供されている点は確かに魅力の一つですね!