製品情報

他社GPUからSiMa.aiに置き換えてみた![準備編]

SiMa.ai(以降SiMa)はGPU(グラフィックス処理ユニット)を提供するα社の性能に匹敵する、エッジでのAIに強みを持ったデバイスです。そんなSiMaのMLSoC(Machine Learning System-on-Chip)を実際に使ってみたいという声も上がっています。今回は、α社のGPUで動作していたモデルをSiMaに移植し、実際に動かす方法をご紹介いたします。

全体の目次

移植の手順は以下の通りです。

Step-1:概要編

Step-2:準備編

  • 準備編

Step-4:実装編

本章「準備編」のゴール

  • SiMaを動かすために必要な環境がわかる

なお、今回デモ動画結果は以下です。

α社動画

SiMa動画

本章「準備編」の目次

  1. 準備するもの
  2. 移植作業の全体像

開発・評価を始める前に必要な準備などを記載いたします。

準備するもの

SiMaの開発キット Development Kit 2

SiMaの開発キット Development Kit 2のバージョン

  • Development Kit 2
  • SiMaビルドバージョン 1.4.0_master_B1230

移植作業の全体像

はじめに

SiMaでの開発は、主にホストマシン上でAI/MLアプリケーションを作成します。
ホストマシンでは、API、フレームワーク、ライブラリ、CLIツールなどを活用して、アプリケーションの開発、デプロイ、デバッグなどのすべての作業を行います。
アプリケーションを開発した後は、ホストマシンからSiMaデバイスへデプロイし、実際にSiMa上でアプリケーションを動作させます。以下が基本的な開発の流れです。

  1. SiMaの開発ボードの環境構築
  2. ホストマシンの環境構築
  3. ヒートマップ分析システムをSiMaに構築する
  4. ビルド、デプロイを行う

SiMaの開発ボードの環境構築

開発キットファームウェアを最新バージョンにアップデートします。

ホストマシンの環境構築

ホストマシンの環境を構築するために、Paletteと呼ばれるSiMaが提供するアプリケーションをインストールします。
このアプリケーションは、API、フレームワーク、ライブラリ、CLI(Command Line Interface)ツールへのアクセスからAI/MLアプリケーションの開発、デプロイ、デバッグを一貫して行えるものです。
また、PaletteはDockerコンテナ内で動作しますので、Docker環境の構築も必要になります。

Paletteのインストールのために以下のインストール要件をすべて満たす必要がありますので、開発前に必ずご確認ください。

本章はLinuXでの操作を説明いたします。

インストール要件(2024/11/15現在)

  • Paletteバージョン:1.4.0_master_B122
  • MLSoCファームウェアバージョン:1.4.0_master_B1230
要件の種類 詳細
ホストマシン
  • アーキテクチャ:x86_64マシン
  • CPUコア数:最低4コア
  • メモリ:最低16GBのRAM
  • ストレージ:最低30GBのローカルストレージ
  • [推奨] 高速なインストールのためのSSDストレージ
OS
  • Ubuntu:20.04 LTS、22.04 LTS
  • Windows:10 Pro、11 Pro
Dockerエンジン
  • Ubuntu Docker Engine:v20.10.21以上
  • Windows Docker Engine:v23.0
Python
  • バージョン:Python 3.8.10以上
Open Port
  • ポート80 (HTTP)
ファイアーウォールの設定
  • ポート80 (HTTP):着信および発信トラフィック
  • Dockerの外部ネットワーク通信
  • ポート22を使用したSSHでのリモートデバイスへの接続アクセス

ヒートマップ分析システムをSiMaに構築する

Yolov7を活用して人の動きを追跡し滞在状況をヒートマップ分析するシステムをホストマシンを介してSiMaで実行していきます。
Gstreamerというマルチメディア系の処理を簡単に実現するためのフレームワークを使用します。

ビルド、デプロイを行う

デバイスへの接続、ビルド※1、デプロイ※2をSiMaの提供するMPKツールというコマンドセットで行います。

(※1)ビルド:ソースコードを実行ファイルに変換すること
(※2)デプロイ:実行ファイルをサーバー上に配置すること


次の章では開発キットとホストマシンの開発環境構築をご紹介いたします。

会社概要

会社名
SiMa Technologies, Inc.
設立
2018年
所在地
アメリカ(シリコンバレー)
事業
画像処理エッジAIに特化したSoCとSDKの提供
この製品に関するお問い合せ先

この製品に関するお問い合せ先

電話でのお問い合せ

第三ソリューション技術部

03-6361-8095

受付時間:平日午前9:00から午後17:00まで

メールでのお問い合せ

お問い合せフォーム